奏でるひとびと。まちという音楽。 – シズオカオーケストラ –

奏でるひとびと。まちという音楽。

> グリーンドリンクス静岡 > green drinks shizuo…

green drinks shizuoka vol.16「まつペレ。燃えたり守ったりつながったり。」開催レポート


桜満開の4月5日、話題の木質エネルギー「まつペレ」に興味を持つ皆さんが、コマトラに集合。グリーンドリンクス静岡vol.16が開催されました!

ゲストは三保松原FCまつペレプロジェクトの代表、寺尾功さん。ペレットストーブの販売をする傍ら、生活様式が変化し便利になる一方で生じてきた様々な課題の解決のため、里山再生や海岸清掃などの活動を続けていらっしゃいます。

まずは徐々に集まる参加者の皆さんとの乾杯から!
1

会場はいつもお世話になっている、駒形通りの名店・コマトラです。
2階のレイアウトは自由自在。
今回のトークライブはこんな形で開催しましたよ!
2

お話は、寺尾さんのご紹介からスタート。
寺尾さんが高校時代にマラソン大会で走ったのが三保だったこと、その記憶が縁で世界遺産登録の話題になるもっと前から三保の清掃活動を続けてきたこと、三保の松原のこれからを考える”三保松原FC“のお話など、まつペレに繋がっていくストーリーをお聞きすることができました。

●三保の松原、かつては自然と保全されていたんです。

そして話題は「まつペレ」へ。
まつペレとは松葉のペレット。まつは、あの”三保の松原”の松を表しています。
2013年に世界遺産登録された三保の松原。5万本以上の松、と言われる程ですが、実は松枯れなどが原因で、年間1000本ほどの松が減っているという現状があるそうです。ユネスコには保全状況を2016年までに報告することになっていて、状況次第では世界遺産から除外されてしまう可能性もあるという現実が立ちはだかっているのです。

松が嫌うのは、虫と、肥沃な土地。
昔、三保ではかまどの火を燃やすための着火剤として”落ち松葉”が重宝されていたそうです。しかし電気やガスの発達により、今ではそういった庶民文化が失われてしまいました。落ちた松葉は腐葉土になり、本来は砂地であるはずの場所に雑草が生え、松が嫌う肥沃な土地となってしまいます。虫による松枯れで伐採した分を新しく植えるという対策もとられているそうですが、結局落ち松葉が増えダメージになるのに加え、その処分にもコストがかかっているという現状があるとのこと。「かつては”自然と保全”されていたんです。」と寺尾さん。時代の変化と共に、そのサイクルがかみ合わなくなってきてしまったことは否めません。
3

そして、この課題を解決し、さらにはエネルギーを生むという”プラス”に転換しようというプロジェクトが「まつペレ」です。

●松は良く燃えます。

そもそもペレットとは、間伐した木材などを一度粉にし、圧縮・成形し直した燃料エネルギーのこと。同じような形に成形されているので機械運転に適しているし、体積が減るため輸送や貯蔵コストの削減もでき、さらには作る時に一定量まで水分を減らしているため完全燃焼を促すというメリットがあるそうです。そして原料が身近にあるので、為替などに影響されないのも大きな特徴。

燃やすには専用のストーブが必要ですが、植物性のものであれば大概のものがペレットとなる可能性があるそうですよ!なんとお茶がらやコーヒーカスなども!(この2種類は、静岡らしい原料ですよね。)静岡はもともと都市に近いのと水が綺麗なことから飲料メーカーの工場が多く、缶コーヒーに使った大量のコーヒーカスが出るそうです。肥料にも家畜のエサにもならないため、ペレットの素材として有力なのでは?と寺尾さんは言います。
4

松は他の木と比べても、さすが着火剤として重宝されていただけあって熱量が高いのだそうです。灰は多いけれど、その灰も肥料や焼き物の釉薬などへの利用を考えていると寺尾さん。「”世界遺産の松葉からできた器”なんて妄想しちゃいますね。」とニヤリ。素敵です。

●移動する工場!?

しかしペレットを作るには工場が必要!
工場にもいろんな規模があるので、木材の量やストーブの販売台数とのバランスがとれなければなりません。もちろんたくさんの方に使って欲しいので価格は抑えたいところ。。。

イタリア・ドイツなどのヨーロッパや北欧で普及しているペレットストーブ。実は日本でも、新潟県は普及率が高いそうです。なんでも地域全体でペレットストーブの導入に取り組んでいるとか。ガソリンスタンドでもホームセンターでもペレットが売られているという話には、参加者の皆さんからもどよめきが・・・!ストーブ購入時に補助金が給付される他、中規模の工場を稼働させて中規模の売り上げをあげる、シルバー人材や障がい者の皆さんの協力で運用するなど、様々な策がとられているそうですが、何よりそれらの情報が地域の人に浸透しているということが素晴らしいですよね。

寺尾さんは、その新潟で製作中というちょっと変わった工場を紹介してくださいました。それは・・・移動型の工場!コンテナハウスのような工場をトラックに積み、木を運んでくるのではなく工場から行ってしまうという発想。「もし三保で実現できたなら、みんなで拾った落ち松葉をその場でまつペレに加工することもできますよね。」と寺尾さん。
5

●目に見える実態を伴うソーシャルビジネス、なんです。

もしもまつペレの工場ができたら、三保の宿泊施設・病院・銀行・水族館・ビニールハウスなどに導入してもらえる可能性は高いそうです(既に手を挙げている企業もあるとか)。それは燃料をわざわざ海外から輸入しなくても、エネルギーが地域で回るということです。当然、購入費も地域に落ちます。

「まつペレプロジェクトの真意は、単に”新しい代替エネルギーができる”というだけの話ではありません。それだけだと、高いか安いかという話になってしまう。」と寺尾さんは言います。「本来であれば、ただストーブを売っている人がペレット工場をやる必要はありません。地域の課題を解決することが前提であり、エネルギーを地域で循環させることを目標に独立したので、ストーブは入口であり、本命は工場なんです。」

ペレットの場合は燃料として販売することができるため、活動を持続していくことができます。処分費をかけて燃やしていた物を、売り上げにかえていくしくみ。世界遺産登録の力を借りてブランディングしていく力。マイナスからプラスへ。寺尾さんの夢は広がります。

地元の町内会や学校の課外活動で落ち松葉を掃除すれば、とても多くの人が関わることになり、同時に市民の手で世界遺産を保全することになります。寺尾さんは、もし視察に来る方がいれば、宿泊施設はペレットのボイラーでお湯を沸かしているとか、出てくる果物はペレットを利用した温室で作られたとか、結果的な経済効果も大きなものになるのではないかと予想しています。何より、松葉を拾った子ども達が大人になった時に、地域への愛情や誇りが芽生える種になるのではと。そう、寺尾さんがマラソンの記憶によって三保に導かれたように、です。「まつペレは目に見える実態をともなう、ソーシャルビジネスです。」という言葉がとても印象的でした。

●人々の動きや思いも含めて、世界遺産!

松葉の回収にコストはかけられない、草取りから始めなければならないなど、まだまだまつペレプロジェクトには課題がたくさんあります。私たちの第1歩は、まずは関心を持つこと。それぞれの分野からまつペレへの関わりを考えてみること。それは同時に地域のことを考えることにも繋がります。「数年後に世界遺産登録の見直しがやってくるわけですが、ぜひともその時にはまつペレを取り巻く人々の動きや思いも含めて世界遺産登録してほしいですね。」と寺尾さんは話してくれました。
6
7
8

この日集まった参加者は25名。そのうち約半数がまつペレを初めて知るという皆さんでしたが、寺尾さんがスライドを交えて分かり易く解説してくださったおかげで、終始和やかな雰囲気でした。初めてご参加くださった方も、リピーターの方も、お酒片手に盛り上がりましたね。(参加者の鈴木さんより、まつペレに似ているというチョコ○ビーのプレゼントもいただきました!ありがとうございます!)

これを機にまつペレに興味を持ってくださる方がさらに増え、地域のエネルギーとして実用化されることを、心から期待しています。微力ではありますが、グリーンドリンクス静岡は今後も引き続き「まつペレ」の展開を応援していきたいと思います!

寺尾さん、参加者の皆さん、ありがとうございました。


<参加者の皆さんから、感想>
・まつペレのことを皆さんに知ってもらってよかった!!
・こういう地域の取組の数を増やしたい。お金の地産地消につなげたいと思いました。
・まつペレのメリットであったり、現在の課題がわかった。
・グリーンドリンクスに初めて参加しましたが、トークの後にみんなでアイディアを出したりする場があって楽しかったです。
・ビバ!モウソウ!大きくなろう。チョコペレおいしかった♥
・もっとくわしい話をききたいです。
・楽しかったです。又参加させて下さい。
・地域でいろんなものをグルグル回したい・・・。
・地産地消のエネルギー!日本中に松林はあるのでこのとりくみが先行事例としてうまくいくように願います。応援しまーす。
・初めて参加させていただきました。とても有意義な時間をいただきありがとうございます。少し不便でも環境にやさしく楽しい生活スタイル選んでいければいいなと思いました。
・もうそう=夢を大きく、チョコベビーはチョコチップ!
・なにかお手伝いできれば・・・有意義な時間でした。
・しぞーかはせまいですね!!
・寺尾さんの妄想がみんなに伝わってみんなの妄想になりました!眠りにつく前に思い返します♥
・清水をもりあげましょう!
・まつペレ。おもしろいアイデアですね。
・まつペレのお話、すごく楽しく興味深いです。
・まつペレの今後に期待大!これからも注目していきたいです。
・とても貴重な話を聞けて良かったです。ありがとうございます。
・ストーブ燃料以上の展開/パートナーの拡大・利害関係/世界的連携・協力体制
・色々な使い方があるのでは、国を巻き込んでは
・まつペレ!すごい可能性を感じました。

report by Izumi
photo by Arata


Writer : shizuoka orchestrashizuoka orchestra
Category : gd 静岡

Posted at :

> グリーンドリンクス静岡 > green drinks shizuo…