第21回ヒトトナリ酒場 〜音読家「安藝 悟」”オンドク”の夜〜

世の中には様々な想いで働いている、様々な人がいます。ヒトトナリ酒場は、そんな静岡にゆかりのある「面白い働き方をしてる人」「なんだか魅力的な人」をゲストとしてお呼びして、美味しいお酒を片手にひとつのテーブルを囲む場です。

その場に行くだけで、一度話してみたかったあの人や、覗いてみたかったあの世界と出会えます。その出会いは、きっとあなたの視界を少しだけ広げてくれるでしょう。

為人を知り、人と隣り合って語らう。ヒトトナリ酒場では、今夜もワクワクする出会いが生まれています。


今回のゲストは安藝 悟(あき さとる)さん

「”音読”をするとっても素敵な人がいるの!!」
この2月、ヒトトナリ酒場の舞台であるボタニカビルのオーナー下山さんからそう紹介を受けたのが安藝さんでした。

なので、この記事を書いていながらもどんなことをする方なのか、私自身も実はよくわかっていません。
しかし、安藝さんから頂いたメッセージとプロフィール文を読んだ瞬間、ゾワゾワと私の心の奥に不思議な期待感が湧き上がりました。

”音読”と言えば、誰もが聞いたことのある馴染みの深い言葉。
その”音読”を新しい文学の楽しみ方として昇華させようとしている安藝さん。
そんな安藝さんから今日もメッセージが届いています。
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はじめまして。

文筆・音読の活動をしている安藝悟(あき・さとる)と申します。

今回は「ヒトトナリ酒場」にお呼びいただき有難うございます。
まだ静岡に来て1年という余所者ですが、ひとつよろしくお願いします。

「音読をしてます。」と言ってもピンとこない人が多いかと存じます。

それは音読という言葉の概念が極めて広いからでありますが、私自身、この言葉一つで自分の表現を言い切れないもどかしさを抱えながらも、普段は便宜上、音読と称して活動しています。

朗読とは何かを考えると、分かりやすいでしょうか。
朗読とは声に出して朗らかに、感情を込めて読み上げることで、俳優やアナウンサーがラジオやライブで広く活躍されています。

私の活動は、朗らか、感情を込めて、のまさに逆。
声というものの表現性をなるべく削ぎ落し、言葉の持つ魅力や語感の面白さを差し出すことをコンセプトにしています。

私が読み上げる作品は、基本的に自分の創作です。
音読されることを念頭に書いた、ほとんどが掌編小説になります。
活動の場は小さな居酒屋だったりバーだったりと、隠されたようなぬばたまの暗室、夜のしじまに蠢き出します。

当日は音読を始めた経緯、言葉の魅力の多層性、自身の芸術論(アートと文学、演劇と文学……)などをお話しできれば幸い。
宵の淵のヒトトナリ、酔いどれの貴重な週末を賜りつつ、ともにご乱心いただけますればと存じます。

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古代日本では「言」と「事」は同一の概念であったと言われます。
それは「言うことそのままが即ち実現する」という言葉にある霊的な力「言霊」が信じられていた事に他なりません。
”音読”された「物語」にも、もしかしたら世界を変える力が宿るのかもしれません。

さて今宵は、音読家「安藝 悟」”オンドク”の夜。
味わった事ない新しい”音読”の世界に一緒に酔いしれてみませんか。


ゲスト:安藝悟(あき・さとる)

1985年 大阪生まれ
大学時代までラグビー部に所属
大学・大学院では政治学を専攻

2010年 大学院修了、新聞社に入社
2017年より静岡で勤務

大阪・心斎橋の文学バー「リズール」にて毎年秋に開かれるイベント「変態’sネスト」に、2015年出場した際に行った朗読パフォーマンス(当時はまだ音読という呼称を使っていなかった)をきっかけに、16年より「音読ライブ」を始める。
文字となって書かれた文章ではなく声によって読み上げられる文章は、時間的な強制スクロールが生じる。
意味がイメージと直結しないような言葉でもそのまま流れていくので、聞き手の認識に揺らぎが生じやすくなる。
言葉の手触りが手触りのまま残存し、強化され、思いもよらないイメージを喚起、固着させる場合がある。
そうした普段の読書体験とは異なる文学の楽しみを知ってもらいたいと思っている。


ーINFORMATIONー
ヒトトナリ酒場 第二十一回
【日時】2018年3月31日(土)18:30~
【場所】Ideale x Will at Botanica(静岡市葵区研屋町25 金座ボタニカビル 2階)
【参加費】2,000円(2ドリンク+軽食付き)
* アルコール、ソフトドリンク、どちらもお選び頂けます。
* 追加オーダーはキャッシュオンでご注文下さい。

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